経済・文化評論室

エコノミストであり、物語を愛するヲタクでもある。

それでも僕が月ノ美兎を推す理由

インターネット上のブームに敏感な人ならご周知の通り、今年初めごろからバーチャルユーチューバーがだいぶ流行っている訳ですが、僕も流行りに乗って何人かのVtuberの動画や放送を聴いています。

その中でもある意味で際立っていると感じるのは、もはやかなりの大御所ですが、月ノ美兎でしょう。彼女は、「ムカデ人間」等のエログロサブカル作品に対する深い造詣や、実写クソゲーの実況といった独特なコンテンツチョイス、自分の過去に関する印象的なエピソードの数々など、中の人の個性の強さとトーク力の高さが相まって他のVtuberとは一線を画す存在感を放っている配信者です。

そんな月ノ美兎ですが、(未確定ではありますが)最近特定騒動があり、一部ファンの人々が離れる動きもあった模様です。

本件に関して、バーチャルユーチューバーと中の人を混同することの是非などの議論も非常に興味深いところではありますが、ここではそれは脇に置いておいて、これを機に、この記事では個人的に月ノ美兎を推したいと思っている理由を述べたいと思います。

 

もちろん、彼女を推す理由として、本人のコンテンツ力の高さというのは最も大きい項目ではありますが、それに加えて、僕が彼女の言動に関して特に印象的だと思っている点は、インターネットカルチャーに対するリスペクトと愛情を深く感じられることです。これが端的に表れているのは、下記動画の17:00頃からの語りです。

「例えば10年後ですよ、私がネットに姿を現さなくなったとしても、月ノ美兎ってそういえばいたよね…とかいう話を、たぶんね、一人ぐらいはしてくれると思ってるんですよ。私は、そういうネットの歴史のちっちゃな一部になれたことがとっても嬉しいです」

この言葉は、僕にとってはとても説得的で、彼女の本心から出たものだと感じました。そして、この発言の背景には、これまで彼女が体験してきたインターネット文化に対する愛情が強く感じられるのです。

彼女の語るインターネットの歴史は、WEBチャットやBBSといったコミュニケーションツールや、フラッシュ動画などが全盛期だった00年代的なものが中心です。これらの記憶は、同じく00年代をインターネットにどっぷり漬かって過ごした僕にとってはとてもノスタルジックで、(僕にとって)インターネットが本当に楽しかった時代を思い起こさせてくれるものです。

そうした文化を愛する彼女の気持ちはとても共感できるし、またその延長線上で、自分もインターネットカルチャーの歴史の一部になりたいという彼女の思いは、僕にとっては何とも応援したくなるものなのです。

(ただ、彼女は自分と同年代だと思っていたので、特定結果が真であるなら、予想以上に若くて驚いたというのが正直なところですが…)

 

というわけで僕は引き続き月ノ美兎を応援していきます。

 

以上