経済・文化評論室

エコノミストであり、物語を愛するヲタクでもある。

経済

(日銀統計)家計保有の投信が30兆円少なかった件について

日銀が公表してきた資金循環統計が改訂され、家計保有の投信の残高が30兆円下方改訂されたことで、これまで「貯蓄から投資へ」という掛け声のもとで家計の投信へ投資が増加傾向にあると思われていたところが実は家計の投信残高がピークより減ってることが明…

景気が良い悪いの基準とは(潜在成長率と需給ギャップについて)

先月末の予算委員会での安倍首相の発言を見てみましょう。 はえ~、アベノミクスの成果であるところの景気回復の波が全国に広がってるんだナァ……っていやまてまて、全然実感ねーぞ!そう思う方も多いでしょう。もうちょっとフォーマルに政府の公式見解を見て…

Supply-Side Liquidity Trap

ネットサーフィンをしてたらみつけて読んだのでメモ。コロンビア大のCalvoのノートです。 LIQUIDITY DEFLATION: Supply-Side Liquidity Trap, Deflation Bias and Flat Phillips Curve, January 22, 2018 別にこういう論文を探してたわけでもなんでもないん…

"経済のわかる大人"とは

アメリカでは高校生の時から経済学を勉強します。Council for Economic Educationの2018 Survey of the Statesによれば、2018年現在、25の州において高校が経済学の授業を提供することが義務付けられており、22の州においては経済学の履修が卒業の必要条件と…

統計学と計量経済学は何が違うのか

大学で経済を学んだりすると、統計学と計量経済学って何が違うんだろうという問いにしばしばぶち当たりますよね(?)そこで今回は、統計学と比較したときの計量経済学の特徴について、私なりの理解をここで開陳したいと思います。 先に断っておくと、現代で…

米国株下落の背景と金融不均衡

今回の米国株の急速な下落の背景について、なるほどなぁと思ったことがあったので、感想と併せてメモ。 そもそものトリガーとされるのは、予想以上に好調だった雇用統計です。ただ、特にリーマンショック以降のFEDの金融緩和期において、景気指標が良いとき…

日本の輸出製造業はオワコンなのか

(この記事はデータに親しもう!ということで、経済データをあまり見たことのない人にもわかりやすいように心がけて書いてます) 日本経済は外需主導で動くとよく言われます。すなわち、海外経済の回復により輸出製造業が潤い、彼らが設備投資や賃金の引上げ…

財政乗数はわからない

経済・文化評論室と名付けた割に、経済の記事が一つもないのでとりあえず思いつきでかきます(誰でも読める内容です)。 経済の用語には財政乗数というものがあります。これは、国が公共事業などを行って支出を増やすことで景気を良くしようという財政政策が…